2018 年 74 巻 2 号 p. I_327-I_336
本研究では,鋼材の付着状況が異なるプレストレストコンクリートはり部材および柱部材に対して行われた載荷試験結果を検討対象とし,有限要素解析による再現解析を行った.その結果,鋼材の付着状況を2種の鋼材要素を用いて表現し,かつ適切な材料モデルを適用することで,鋼材の付着状況で異なる部材の耐荷性能の傾向を,有限要素解析により概ね捉えられることが示された.また,柱部材の場合,はり部材と同様な材料モデルを用いて解析を実施すると,部材の耐荷性能を過大評価する可能性があることが示された.