2021 年 7 巻 2 号 p. A_193-A_200
交通安全教育の一環として,日本では危険予知訓練(KYT)の取り組みが進められている.従来のKYT教材の多くは三人称視点であり,主にイラスト画像が用いられていた.一方,近年のVR関連技術の発展により,一人称視点かつ360度全方位確認可能な実写映像VR教材を作成することが可能になりつつある.しかし,その効果についての検討はまだ不十分である.そこで本研究では,VR教材と写真教材を作成し,各教材と対照群に10名ずつをランダムに割り当てて教材の教育効果を実験により評価した.実験前後のアンケート調査の結果から交通安全意識の変化を検証した結果から,1)学習項目によって適した教材が異なること,2)総合的には写真教材が最も効果的なことが明らかとなった.