土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
ISSN-L : 2185-4661
応用力学論文集Vol.21(特集)
微粒子凝集実験および2次元DEM解析による凝集体形状特性の検討
瀬口 拓遼松島 亘志
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2018 年 74 巻 2 号 p. I_411-I_420

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抄録

微粒子が形成する凝集体の形状は,微粒子の相互作用特性の影響を強く受け,その特性が凝集体の沈降堆積物である地盤の物性にも影響を及ぼす.本研究では,マイクロスライドを用いて人工球形ラテックス粒子,カオリナイト,ベントナイトの3種類の微粒子を様々な溶媒環境下で凝集させ,その2次元形状特性について検討した.その結果,どの凝集体もフラクタル性を有しており,低イオン濃度の下では粗で凹凸の大きな形状,高イオン濃度の下では粒子が密に詰まった,丸まった形状のクラスターを形成する傾向をフラクタル次数により定量化できた.また,ラテックス粒子やカオリナイトの凝集体のアスペクト比はイオン濃度の影響を受けないが,ベントナイトではイオン濃度の増加につれアスペクト比が増加する傾向が得られた.更に,DLVO理論を適用した2次元個別要素法解析を行い,実験と同様の凝集体形状特性を確認し,粒子間の引力および粒子間摩擦角の2つの微視物性値が凝集体形状に及ぼす影響を明らかにした.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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