土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
ISSN-L : 2185-4661
応用力学論文集Vol.21(特集)
引張を受ける腐食鋼部材のディープラーニングによる有効板厚評価と有限要素モデリング
全 邦釘佐久間 啓蔵大窪 和明
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2018 年 74 巻 2 号 p. I_535-I_541

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抄録

腐食鋼構造物の安全性の照査および適切な維持管理戦略の策定のためには,残存耐力を精度よく評価する必要がある.ソリッド要素を用いて腐食表面形状を精密に再現した有限要素解析を行えば,的確に耐力を評価できることが期待されるが,計算コストが非常に大きくなってしまう.そのため平均板厚をシェル要素の板厚としたモデルがよく用いられるが,精度面に課題があり,特に危険側に評価をしてしまうという問題がある.そこで本研究では引張部材を対象として,ディープラーニングの一種であるCNNによりシェル要素の有効板厚を評価し,そしてその有効板厚を用いたシェル要素により有限要素モデルを構築した上で,構造解析を行うという手法を提案した.そして,腐食鋼板およびH鋼についてソリッド要素を用いたモデルとの比較により,高い精度で耐荷力を予測できることを示した.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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