2018 年 74 巻 2 号 p. I_571-I_578
MEMS加速度・ジャイロセンサを搭載した小型6軸地震センサを試作し,地震時における構造物の経験最大層間変形角を推定する手法を検討した.角速度の時系列データを積分することでセンサの傾斜角を推定できるが,バイアス誤差により推定値がふらつくという問題がある.この問題に対し本研究では,加速度センサの出力を観測量とし,カルマンフィルタにより角速度のバイアス誤差を補正しつつ,姿勢を推定する手法を試みた.そして,本手法の推定精度を検証するために1軸振動実験を行った.精度検証では,地震動が観測される場合を模擬して,1軸振動実験の計測データに地震波を混入させて姿勢角を推定し,どの程度精度が悪化するかを検討した.