2018 年 74 巻 2 号 p. I_561-I_570
著者らは道路標識を対象とした異常検知システムの開発を行っている.加速度センサによる常時モニタリングを行うと,計測した振動特性には日々の変動がみられる.そこで本研究では,日常的な変動の要因を解明するために,学内に設置した実験用の道路標識に対して強制加振実験を多数回行い,周波数伝達関数をARX法により高精度に推定し,その妥当性を検証した.また,強制加振実験により得られた周波数伝達関数を再現可能な数値モデルを構築し,平均的な振動特性を表すモデルパラメータを決定した.さらに,構築した数値モデルを用いて損傷や環境条件の変動による固有振動数への影響を検討した.