2018 年 74 巻 2 号 p. I_727-I_737
本論文では,FEM解析により弾性まくらぎ化によるバラストと路盤の振動の周波数応答の変化を,バラストの沈下への影響が大きい200 Hz以下の周波数帯で算出した.その結果,支持弾性係数が0.23 N/mm3以下のまくらぎ底面材(USP)を使用することで,まくらぎとバラストが同位相で振動するモード(まくらぎ・バラスト同位相モード)と逆位相で振動するモード(まくらぎ・バラスト逆位相モード)の固有振動数とピーク値が低下し,これらのモードを含む周波数帯でバラストと路盤の振動が低下することが分かった.さらに,実軌道での弾性まくらぎ敷設箇所にて,列車通過時の路盤振動加速度を測定したところ,まくらぎ・バラスト逆位相モードを含む60 Hz~150 Hzの周波数帯で3 dB~8 dBの路盤振動加速度の低下を確認した.