土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
ISSN-L : 2185-4661
応用力学論文集Vol.22(特集)
差分法と粒子法による歩行者流のハイブリッド解析
藤岡 良輔三目 直登山田 知典吉村 忍
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2019 年 75 巻 2 号 p. I_195-I_201

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抄録

単一の目的地へ向かう歩行者や群衆の移動に対して,歩行者の密度分布を未知数とした偏微分方程式による歩行者流のモデル化が広く行われている.本研究では,それらの歩行者流モデルのひとつに着目し,差分法と粒子法を用いた効率的な数値解析手法を提案する.具体的には,歩行者流の最短経路ポテンシャルを決定するための偏微分方程式である Eikonal 方程式の解析を差分法の一種である fast marching 法によって行い,歩行者の相互作用と移動を表現する偏微分方程式の解析を粒子法の一種である smoothed particle hydrodynamics (SPH) 法を用いて行う.提案手法は,SPH 法を用いて歩行者流を Lagrange 的に解析するため,メッシュベース法を用いた既存手法に比べて,歩行者密度の低い場所には粒子数が少なく配置されるという点で計算コストの面で合理的である.また,本研究の定性的な妥当性を議論するために,提案手法を用いた歩行者流の試解析を行なう.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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