2016 年 13 巻 p. 9-15
本研究は,大学体育授業において学生に感想を多く記述させる方法について検討することを目的とした.方法として,248名の大学生を無作為に通常群(n = 132)と介入群(n = 116)に分けた.全ての学生は,授業で講義とグループワーク(コンセンサスゲーム)を行い,授業の最後に,講義とグループワークの振り返りとして感想文を記述した.通常群は「感想」と記されている用紙を配り,一方,介入群は「感想(4つ以上)」と記されている用紙を配り,授業終了後に文字や文章の数と記述された文章の内容を評価した.結果として,介入群の文字数と文章数は,通常群に比して,有意に高値を示した(P < 0.001).1文あたりの文字数や短文と長文を書いた者の割合に両群の間に有意差は認められなかったものの,“4つ以上”の指示は,4文以上の文章を書いた者の割合が約4倍となった.さらに,介入群の記述文章は,通常群と比較して,コミュニケーションに関する内容が多かった(P < 0.05).さらに,コミュニケーションに関するキーワードを比較した結果,介入群では,「自分」,「グループ,または班」,「意見」の3つの単語が頻出していた(P < 0.05).結論として,大学体育授業において授業の感想を記述させる際,感想欄に「4つ以上」と指示すると,単に感想を記述させる場合に比して,より効果的に受講者の文字数や文章数を増大させ,授業内容に対する振り返りの効果を高める可能性のあることが示唆された.