2019 年 75 巻 2 号 p. I_237-I_248
複雑構造に対して計算メッシュ生成が自動かつ高速で行えるビルディング・キューブ法に基づくオイラーメッシュ上でマーカー粒子を用いた圧縮性固体解析手法を提案する.従来のオイラー型固体解析で困難であった固体界面における幾何学的境界条件の付与は,マーカー粒子からオイラーメッシュへ速度を補間する方法により実現される.提案手法の妥当性は円孔付き平板の引張およびせん断解析で検証され,所望の解析精度を得るために必要なメッシュ解像度,マーカー粒子の配置密度,およびその計算コストを明らかにした.さらに従来的な有限要素法では数週間オーダーのターンアラウンドタイムが必要となる自動車ボディのねじり剛性解析が,提案手法により 3.6 時間のターンアラウンドタイムで実施できることを実証した.