2019 年 75 巻 2 号 p. I_225-I_236
本論文では HPM を用いた骨組構造に対する MSFS 手法を開発した.構造物がメカニズム形成するまでの解析には,陰解法による静的弾塑性大変位解析のアルゴリズムを適用した.メカニズム判定は不静定次数,不安定次数,最大変位,荷重-変位関係により判定した.崩壊後の解析には,構造がメカニズムを形成していることから,準陰解法による動的運動解析のアルゴリズムを適用した.はり要素は動的陽解法で解き,質量のないピン要素は静的陰解法により位置補正を行った.境界との接触の際は,拡張ラグランジュ法のように境界面での接触補正のアルゴリズムを適用した.MSFS 手法として HPM を用いると,崩壊前後で同じ解析モデルと同じ剛体自由度を有する離散化手法を一貫して適用することができる.最後に,簡単な数値解析例で提案手法による解析結果の特性を検討した.