2019 年 75 巻 2 号 p. I_361-I_370
近年,大規模な土石流が頻発し,これまで被害が無かった鋼製透過型砂防堰堤でさえも破壊する事例が見受けられるようになった.このため,構造物の粘り強さを評価する新設計法として,許容応力度設計に加えて,レベル II 荷重として検討されることになった.その際,既存不適格構造物が生起しすることになる.そこで本研究は,既設透過型砂防堰堤に対する補強技術の一手法として,コンクリート堰堤に連接する補強部材を取り付ける方法を提案し,その補強効果について静的弾塑性解析プログラム1)を用いて検討したものである.さらに,補強した際の耐力およびその反力について比較し,耐力増強策としての効果を考察した.その結果,既設透過型砂防堰堤とコンクリート堰堤を連結することで耐力が改善されることが示した.