2019 年 75 巻 2 号 p. I_519-I_530
本研究は,河床上の自由水面を有する跳水流と地盤中の浸透流を同時に計算する数値実験を行い,固定床水理実験による検証で,河川流と浸透流の空間情報を同時に得ることが可能であることを示した.数値実験から,跳水位置の手前で浸透流が河床に抜けてそこのブロックが受ける揚力と抗力が大きくなり,ブロックの有効重量による摩擦抵抗力を上回ってブロックが滑動する.これはブロック流失の実験結果に一致する.数値実験を通して,床止め工の下に透水性の高い基礎材料を設けると揚圧が下がり,床止め工を一体構造からブロック構造に変更すると,揚圧は大きく低下することが分かった.さらに,遮水矢板は前部に設けると揚圧の減殺に効果があり,後部に設けるとパイピング防止に効果が高いことが示された.