土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
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応用力学論文集Vol.22(特集)
流体力モデルによるセミサブ型浮体式洋上風車の動的応答への影響
福王 翔
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2019 年 75 巻 2 号 p. I_539-I_549

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抄録

浮体式洋上風車は安全性の向上とコスト低減のため動的応答解析の精度向上が必要である.本論文では流体力モデルとしてポテンシャル論およびモリソン式を使用して弾性体としてモデル化したセミサブ型浮体の解析を行い得られた動的応答について両モデルの比較を行った.モリソン式,ポテンシャル論で計算した浮体動揺の波強制力によって励起された変動成分は,実験値とよく一致した.浮体動揺の固有周波数に相当する変動成分については surge および pitch 方向でモリソン式の方がポテンシャル論より大きな結果を示したが,pitch 方向においては両モデルとも実験値に対して過小評価となった.タワー基部,浮体の空中部材および浮体の水中部材における断面力は,波強制力で励起された周波数およびタワー固有振動数の両方の変動成分においてモリソン式の方がポテンシャル論より大きな値となった.タワー基部モーメントについてはモリソン式は入力波周波数に相当する成分で実験値とよく一致したが,タワー固有振動数に相当する成分では実験値に対して過大評価となった.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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