2016 年 2016 巻 63 号 p. 105-109
千葉県内のナシ樹におけるチャノキイロアザミウマの発生消長を調査した。本種の発生は3月下旬から4月上旬に越冬世代と考えられる成虫の飛来によって始まり,6月の第2世代幼虫が発生するころから急増し,8月上中旬にピークとなった。その後新梢伸長停止と葉の硬化に伴い寄生数は減少したが,伸長を継続している新梢に集中的に寄生した。成虫は10月中旬にはほぼみられなくなり,幼虫は11月まで寄生が確認された。黄色粘着トラップへの越冬世代成虫の誘殺は地上50cmで多く,棚上50cmではほとんど誘殺されなかったこと,さらに本種はナシ主幹横および樹冠下に設置した地表面トラップに越冬成虫が捕捉されたことから,ナシの樹体下の土壌部で越冬していることが確認され,ナシ園内の土壌表面に近い場所で越冬していると推察された。