2019 年 75 巻 2 号 p. I_581-I_588
生体構造を模倣したらせん積層 CFRP の板曲げ挙動を実験的に検討した.一方向炭素繊維プリプレグを積層する際に層間の配向角度差を設けることでらせん積層を構成した供試体を作製している.円周支持の平板を中央点集中荷重と中央部分布荷重の条件下で,直交積層の平板と荷重一変位挙動と破壊挙動を比較した.荷重一変位挙動においては,らせん積層は中央部分布荷重下では大きな荷重降下後にも増減を繰り返しながら最大荷重に迫るレベルまで荷重増加が見られた.破壊形態においては,直交積層が局所的であるのに対して,らせん積層の破壊は供試体全体に広がり,層間剝離はねじれるように発生することが確認された.