2019 年 75 巻 2 号 p. I_601-I_612
鋼鉄道橋は,コンクリート鉄道橋に比べ騒音振動性に劣ると言われているため,腹板には制振材を対策工として用いているが,制振材は設置可能箇所に制約がある等の課題がある.また,制振材は鋼板の振動と振動放射音の低減効果が一致しないことが多く,制振材設置による低減効果を正確に把握出来ていない.そこで本研究では,粒子速度により対策効果を評価する手法を提案し,その有効性を検証した.さらに,設置可能箇所に制約の無いポリマーセメントモルタル(PCM)による対策工を提案し,試験により得られた粒子速度と振動速度により,PCM と制振材の低減効果を比較することで両者の性能が同等であることを検証した.また,解析により求めた鋼板振動の低減効果を試験結果と比較することで,PCM の低減効果が解析により把握可能であることを確認した.