2019 年 75 巻 2 号 p. I_613-I_622
大地震が発生した際,家屋などの構造物の被災状況を戸別に把握し,その情報を集約することができれば,救命や支援物資の供給などの迅速な対応に有益であると思われる.そこで,本研究では,構造物の被災状況を把握するための情報の 1 つとして,構造部材の破壊音に着目し,その検知に関する基礎的検討を行った.本研究ではまず,静穏な環境下において木材の破壊実験を行い,その破壊音を収録した.また,食器が割れた音や会話なども収録し,音のデータベースを構築した.そして,これ等のデータを 3 層の NN (Neural Netowork) に学習させ,破壊音とそれ以外の音を判別できるか検証した.また,別の機械学習である k-Shape と呼ばれるクラスタリング手法を同じデータに適用し,木材の破壊音とそれ以外の音を別々のクラスタに分類できるかどうかを検証した.