土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
ISSN-L : 2185-4661
応用力学論文集Vol.22(特集)
鉄道レールの頭部から発生するき裂の進展速度に及ぼす残留応力およびき裂発生位置の影響
細田 充水谷 淳山本 隆一
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2019 年 75 巻 2 号 p. I_623-I_633

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抄録

レール損傷で発生が多い形態の一つに,頭部から発生する横裂があり,その横裂進展特性の把握が求められている.本研究では,レール頭部内部の残留応力を測定し,かつレール形状やき裂先端の特異場を考慮したFEM解析を実施して,残留応力およびき裂発生位置が横裂進展に与える影響を評価した.焼鈍や使用履歴でレール頭部内部の残留応力が変化し,横裂進展速度に影響することを示した.測定した残留応力およびレール形状等をFEM解析に反映させることでその解析精度が良いことを示した.測定した残留応力を考慮した解析結果と比較して,考慮しない場合は同じ深さで0.5倍程度の横裂進展速度となった.レール断面方向において,横裂の位置が異なることにより,レール破断に至る横裂深さが異なることを明らかにした.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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