2020 年 76 巻 2 号 p. I_173-I_181
本研究では,調和バランス-境界要素法(HB-BEM)への H 行列法の適用を行う.HB-BEM は閉口き裂による非線形散乱問題の定常解析を行う手法であり,複数の周波数に対する境界積分方程式を非線形境界条件によって連立させて解くため計算コストが大きい.連立非線形方程式を解くプロセスで Newton 法を用いるため,その際に Jacobi 行列の逆を求める計算量が支配的となる.この逆行列演算に対する反復法の収束性が悪いため,H 行列法を適用することで直接法である LU 分解を用いた高速化を図る.数値解析を通して,行列の配置方法による H 行列法の LU 分解の性能,未知数に対する計算コストの変化を調べる.