2020 年 76 巻 2 号 p. I_543-I_552
数値シミュレーションによる都市の建物の地震被害評価には,対象とする地盤や建物の自動的なモデル化が必須である.本研究は地盤のモデル化に着目し,都市で得られるボーリングデータを補間して地盤のモデルを構築する手法を示した.手法のポイントは,補間するボーリングデータの地層の不整合に対応可能な堅牢性である.不整合のあるボーリングデータでも適用可能な地層の設定方法を軸に地盤データの補間手法の開発を行った.また,開発した手法を都市の実際のデータに適用することで堅牢性を確認し,加えて,現実的なモデルが得られていることを確認した.都市の被害評価へも適用し,既往の手法による結果と比較することで手法の有用性を議論した.