土木学会論文集A2(応用力学)
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和文論文
洪水解析に基づくため池周辺の家屋被害の推定
和田 光真久保 栞吉田 秀典
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_577-I_585

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抄録

大地震の被害の一つに,ため池の崩壊にともなう流出水による家屋の被害がある.ため池が大地震で突如決壊すれば,流出域の住民に周知される時間もなく,また別の場所へ避難する間もなく浸水する可能性がある.このとき多くの住民は家屋上階等への垂直避難を余儀なくされるが,避難する家屋そのものが被害を受けるリスクを評価する必要がある.しかしながら,現行のため池ハザードマップでは,家屋倒壊リスクが明確に示されておらず,また被害事例や研究データもほとんどない.そこで本研究では,3 次元洪水解析によってため池崩壊による流出水の流速および浸水深を予測し,家屋倒壊リスクを評価する.検討の結果,流出水の速度や浸水深は地形に左右され,新耐震基準の家屋被害は少ないことが示された.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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