2021 年 77 巻 2 号 p. I_275-I_283
既往研究の全方向全厚のらせん積層に対して,らせん積層を部分方向または部分厚で成した限定らせん積層 CFRP の四点曲げ変形・耐荷挙動を実験的に検討した.部分方向らせん積層は,最大荷重後に脆性的な挙動を示したが,その後荷重増加と降下を経て最大荷重の半分弱にまで緩やかに回復した.回復中の小さな荷重降下時にはらせん積層の階段状ひび割れが発生した.部分厚らせん積層は,2 つの荷重ピークを示して荷重も半分以下に降下したが,らせん積層部分から広範囲に損傷が始まり,直交積層部分の脆性的な破壊挙動が抑制される損傷・破壊挙動が観察された.