土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
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応用力学論文集Vol.24(特集)
土/水/空気連成解析による転圧時の締固め度分布の検討
河井 克之有西 海飛中島 晃司
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2021 年 77 巻 2 号 p. I_263-I_273

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抄録

陸上の土工で用いられる「締固め」は,荷重の与え方や締固めスケールへの依存性が強く,室内試験結果を現場施工に反映させるのが困難である.特に,施工によく用いられる転圧が地盤内の締固め度に与える影響についての研究は少ない.本研究では,まず不飽和土の力学体系の中で「締固め」を表現するために,土/水/空気連成解析によって締固めを模擬した.その結果,締固め曲線を表現するとともに,内部に生じる不均一性について明らかにした.また,転圧模型試験を行い,得られた模型土槽の X 線等価画像から,転圧進行方向に圧縮領域が形成され,不均一な締固め度分布が生じることが分かった.同時に,転圧シミュレーションを実施し,転圧による締固め度の不均一性は主応力方向による影響を受けていることが明らかになるとともに,初期転圧方向に弾塑性変位が卓越することが分かった.そのため,転圧荷重を往復しても地盤内に左右非対称の締固め度分布が生じる結果となった.また,転圧面にもその影響が現れ,荷重が大きく,最適含水比に近いより圧縮する条件で,転圧面の不整が顕著となった.

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