2021 年 77 巻 2 号 p. I_485-I_494
地盤物性値の空間分布はトレンド成分とランダム成分に分けてモデル化されることが多い.ランダム成分は空間分布の局所的なデータのばらつきの特性を把握する上で重要である.複数の確率場を重ね合わせたガウス過程回帰を用いて,コーン貫入試験で測定された 2 種類の試験データを対象に 1 次元と 3 次元空間のデータに対してトレンド成分とランダム成分の分離を行い,ランダム成分を対象に自己相関関数の検討を行った.Gaussian, Markovian, Binary noise, Whittle-Matérn, Gaussian-Markovian 相加平均モデルなどの様々な自己相関関数について情報量基準 AIC や BIC を用いた比較を行った.モデル選択の結果,Whittle-Matérn や Gaussian-Markovian 相加平均モデルがランダム成分の自己相関関数として選択された.選択されたモデルを用いて任意の位置でのトレンド成分,ランダム成分を推定する例を示した.