2021 年 77 巻 2 号 p. I_535-I_542
大地震が発生した際,迅速に被災状況を把握する必要がある.そのため,著者等は構造部材の破壊音に着目した損傷判定手法の開発を試みている.本研究では,まず音響特徴量として MFCC を用い,これをニ ューラルネットワーク(NN)に入力して,判定精度を評価した.それによると,木材破壊音のみの場合は精度は良いものの,環境音と混合させた場合には精度が大きく悪化することが分かった.そのため,環境音と混合した場合でも判定精度が良いとされる畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を試みた.その結果,メルスペクトログラムを入力とする CNN を用いた方が,混合音の判定精度が高いことが示された.