抄録
ダム貯水池堆積物の質的な変化は,湖沼水や下流河川水質に及ぼす影響が懸念されるため,物理的な観点のみではなく,化学的な観点からの検討が必要である.本研究ではダム貯水池で採取した柱状底泥堆積物と湖水を用いて,実験室内で10℃で,直上水の溶存酸素が飽和状態の場合と無酸素状態の場合について,それぞれ450日,388日間に亘る長期間の水質・底質変化の追跡実験を行った.実験開始後,直上水が好気条件下では硝酸還元の過程が進行すること,直上水が無酸素条件下では鉄還元の過程が進行していることが認められた.また,湖底の無酸素状態が2ヶ月間続くと鉄還元が一気に進行することがわかった.