抄録
都市域での外水氾濫では,河道からの越流箇所を特定した上で氾濫流量を評価でき,市街地構造等の氾濫原要素を考慮して氾濫流の挙動を予測できることが,浸水被害対策を講じる上で重要である.このような立場から,高解像度風上差分法,非構造格子等に基づく都市域氾濫解析モデルを用い,まず,(1)河道・氾濫原包括解析により,掘込み築堤河道から斜め溢水・越流する氾濫流量を評価できることを実証した.また,越流公式で氾濫流量を評価する際の問題点を明らかにした.次に,(2)同モデルを1986年の山陰豪雨災害時の三隅地区の破堤氾濫に適用し,河道特性,氾濫形態の違い,市街地構造等を考慮した上で,越流箇所を概ね予測できること,浸水プロセスや家屋被害に及ぼす影響の評価・検討が可能なことを示し,同モデルの有用性を明らかにした.