2008 年 64 巻 1 号 p. 157-174
土の繰返し非排水せん断変形を求めるために過剰間隙水圧発生量を定式化することは,繰返し載荷時の有効応力経路を表現する上で極めて有用である.本研究は,サイクリックモビリティを含めた有効応力経路の表現方法として,変相線を用いることなく,正負のダイレイタンシーを表す2つの曲線の和によって表示する有効応力経路式を使用する.また,この有効応力経路式を用いることによって,繰返し載荷時の累積せん断仕事と残留過剰間隙水圧の関係を非線形応力ひずみ関係に適用した繰返し非排水せん断変形モデルを提案し,初期せん断応力を受けるときの飽和砂およびひずみ速度の影響を受ける粘性土の繰返し非排水せん断変形への適用性とそのときの変形特性について検討する.