抄録
露天掘り鉱山において,安定的な残壁を形成しつつ採掘を進めることは,鉱山労働者に対する危害の防止や景観保護等の観点から重要な課題となっている.しかしながら,残壁崩壊事例が以前より現在に至るまで多数報告されており,四国管内においても平成16年4件,平成17年1件,平成18年2件の残壁崩壊事故が発生している.このため,中国四国産業保安監督部四国支部では平成17年度および18年度に中国四国地方鉱山保安協議会四国部会に専門委員会を設置し,今後の残壁崩壊を防止するための対策に資するために,管内の露天堀鉱山における残壁の状況について取りまとめを行うとともに,これまでに発生した残壁崩壊事例の調査を行い,崩壊要因,前兆,対策などについて整理・検討を行った.