抄録
東京国際空港では,逼迫する航空需要に応えるため,沖合に4本目の滑走路(D滑走路)を建設する再拡張事業が進められている.建設予定地において,粘土層については乱さない試料を採取して各種室内試験により地盤定数を評価した.また,砂地盤については標準貫入試験によるN値で地盤の状態を評価した.一連の試験結果を基に,地質学的な知見も踏まえて当該地区の地層構成を明らかにした.粘土地盤の各種地盤定数については,建設予定海域で得られた全試験結果を深度方向にプロットし,工学的な判断を加味した代表的な深度分布を設定した.設定した深度分布の平均値からのばらつきに関する統計的表現により,設定した深度分布が試験結果のばらつきの中でどのように位置づけられるかについても検討した.