抄録
本研究はトンネルの壁面に計測点として設置したターゲットをデジタルカメラで撮影し,当ターゲットの3次元座標を算出する技術の研究結果を記述するものであり,具体的には走行中の車両から撮影された多数のデジタル画像に写ったターゲットの3次元座標を解析的に求め,その値を使って内空変位等のトンネルの変状に関する情報を得ることで,供用中のトンネルの維持管理を効率的に実施することを試みたものである.本論文では基準点を設けることなく計測点間の距離を算出するための方程式とともに,限られた位置からの撮影でも高精度で計測できる条件式を導き,実験によりトンネルの内空変位等をmm以下の精度で計測できることを実証した結果について述べる.