抄録
粒状体的性質が卓越する土の土圧計測は,流体圧の計測と異なり十分な信頼性を有しているとは言い難い.設置された土圧計で,被測定物である土に応力集中が生じる.この影響を少なくするには,剛性が土と同等な土圧計を使用することが有効である.これを実現するために,合成ゴムと金属板との積層材を起歪部に用いた新しいタイプの低剛性土圧計を開発した.土圧計側面に作用する側圧の影響を補償する目的で開発した三軸可変空気圧検定法で較正方法を確立して,砂圧検定を実施した.その結果,低剛性土圧計の出力誤差やヒステリシス特性について,従来のダイヤフラム型土圧計やピストン型土圧計の誤差論にはない新たな特性を確認することができ,最適な土圧計を設計・製作する上で有効な知見を得た.