抄録
神戸市の中心部から約8kmの沖合に新設した神戸空港島の建設に際して,神戸の内陸部で採取した凝灰岩を主体とする岩砕を埋立材として使用し,埋立工事を行った.埋立に伴う水中部の盛土圧縮の計測は,これまで事例がほとんどないことから,今回,独自の埋立地盤沈下計測システムから得られた結果を使用して盛土の圧縮を計測した.本システムの特徴は,潮位を利用したレベル算出システムとデータを無線伝送することにより,計測の自動化を図った点にある.本システムによる計測により,埋立に伴う水中盛土の体積変化率を明らかにすることができた.昨今の埋立工事では,大水深かつ軟弱地盤といった悪条件のもとで急速施工が行われるようになってきており,このような条件下で本システムの適用性が確認できた.