抄録
平成元年(1989年)に発生した越前海岸岩盤崩壊災害の事後調査・解析結果を事例として,岩盤崩壊の発生形態の違いに応じた被害シナリオを複数想定し,事象の起こりやすさと結果の影響の程度を組み合わせたリスクマトリクスにより各シナリオのリスク評価を試行した.不確実性を有する岩盤崩壊の減災を図るには,このようなリスクマネジメント手法で被害のリスクを予測・評価し,次段階でリスクを低減する対応をとることが期待される.特にデータが不十分な概査段階では,リスクマネジメントが将来の合理的な対応を選択できる手法であることを提案した.これには,過去の岩盤崩壊事例に関するデータを収集し,検索できるようデータベースを整備し,これを活用することが必要である.