2012 年 68 巻 2 号 p. II_1-II_7
気候変動に伴い,主として低平地では現在生じている台風等風水害の危険性が高まることが想定される.これらの影響による被害の低減を目的とした適応策を考える上で,都市生活圏の災害ハザード,脆弱性等を統合したリスク評価は重要となる.本研究では,低平地であるベトナム国Hai Hau海岸近傍を対象とした土地被覆分析および河川氾濫シミュレーションを行った.この地域は河川氾濫に脆弱な地形を形成していると共に,海岸線の後退が顕著であることが確認されており,内水と海岸双方からの災害を受けている.結論として,河川氾濫と海岸侵食双方の水災害による脆弱性評価に特化した地理情報を生成した.