2013 年 69 巻 2 号 p. II_7-II_12
準天頂衛星が放送するLEX信号を用いた,単独搬送波位相測位(PPP)によって,センチメートル級の測位精度が期待されている.日本の天頂付近に長時間留まる軌道を持つ衛星システムであるので,日本国内の山間部や都心部の高層ビル街などでも,測位できる場所や時間を広げることができる.本研究では,キャンパス内を仮想の街として,異なる遮蔽環境下で,LEX信号を利用したPPPによる測位精度の検証を行った.また,JAXAが開発した複数GNSS対応高精度軌道・時刻推定ツールMADOCAによって生成した暦を用いた後処理PPP測位も実施し測位精度の比較を行った.その結果,遮蔽環境が測位精度に影響を与えることが確認された.