抄録
我々が想定する衛星測位の環境には,周囲に構造物や樹木等の障害物が存在する.このような環境での測位では,障害物からの反射波の影響を受け,測位精度が悪化することや測位できないこと等の問題が発生する.これらの問題は,特定の衛星に制限をかけることや衛星システムの選択等の設定により解決できる場合が多い.仰角マスク,SNRマスク等を環境に合わせて設定することでより良い測位結果が得られる.
本研究では衛星の選択による測位結果の改善を目的に,仰角マスクやSNRマスク等の測位計算ソフトウェアの設定変更にてFix率を向上させる方法を提案した.また,複数の設定にて解析する手法について提案し,実環境であるつくばチャレンジ2016走行コースにて観測したデータに提案手法を適用してFix率を改善した.