2016 年 72 巻 2 号 p. II_96-II_102
災害現場などの記録用途において,地上型レーザスキャナや,空撮画像を用いたSFM(Structure from Motion)が普及しているが,レーザスキャナは足場の制約などから網羅的な計測が難しく,SFMだけでは実寸スケールが得られない.本研究では両者を相補的に統合する手法を提案する.レーザスキャナ併設の校正済みカメラで撮影した画像と空撮画像群を併せてSFMを行い,スキャナ視点位置と被写体とを同時に3次元復元する.被写体の3次元データは,スキャナ画像に投影することでスキャン点群と明確に対応づけられる.これにより,データ統合のための座標変換を陽解法で求められる.レーザスキャナ(Riegl LMS-Z420i)とドローン(DJI phantom II)による空撮による実験より,本手法の有効性を検証した.