抄録
衛星測位システムは,GPSやGLONASSに加えてQZSSやGalileoの運用により利用可能な衛星電波が増加傾向にある.衛星電波の増加は,反射波や回折波といったマルチパスの影響を受ける衛星を除去しても,解析に必要な衛星数が得られる可能性があり,今後はマルチパスの影響を受ける衛星を判別する手法が必要となる.本研究では,移動測位に対応したマルチパス検知手法を検証するため、信号強度と搬送波位相変化量の差からマルチパスの影響を受ける衛星を除去した場合の効果を検証した.その結果、マルチパスの影響を受ける衛星の除去によりFix解の取得率が向上することが確認された.