抄録
本論文は,水環境流れ問題のためのAR(Augmented Reality)可視化システムの構築を行うとともに,その適用性について検討を行ったものである.本システムは,対象環境の風景をマーカー画像とし,その内部の特徴点に基づき,カメラの位置・姿勢を推定するマーカーレスAR技術を用いている.河川および海岸における水環境流れ問題を例に,マーカー画像の設定方法について検討を行うとともに,本システムの妥当性について検討を行った.その結果,安定的かつ正確な重畳を行うためには,マーカー画像としては非定常的に変化する水面の部分は含めずに,構造物周辺のみを用いることが重要であることが明らかとなった.