2019 年 75 巻 2 号 p. I_123-I_131
高齢者や障害者なども含めた歩行者移動支援サービスの実現には,歩行空間ネットワークデータの整備が求められている.しかし,歩行空間のデータ整備には計測に人手を要するなど膨大な労力が伴うことが課題とされている.一方,計測技術の進展によりMMSを用いると高精度な点群データとして広域に歩行空間が取得できる.本研究では,点群データを用いてバリア情報を検出する手法を構築した.その結果,高性能MMSにより取得した点群データは100点/m2以上の点群密度において地物や地形形状が把握可能であった.そして,各点群密度における点群データから提案手法を検討した結果,レンジによる評価と隣接グリッドのデータ比較による評価で,1,000点/m2以上の点群密度と0.10m以下のグリッドサイズで歩道の一般的構造に関する基準に照らしてバリア評価が可能であった.