2019 年 75 巻 2 号 p. I_132-I_140
スマート社会における建設プロジェクトでは,フィジカル空間とサイバー空間が関係しあう複雑なライフサイクルになることが考えられる.本論文は,複雑化する建設プロジェクトに適用するためのシステムアーキテクチャモデルを提示する.このモデルは,プロジェクトの各プロセスの対象範囲に基づいてプロジェクトライフサイクルを階層化し,システム要素とプロセスを対応づけることで,プロセスの責任範囲を明確化する.また,このモデルを建設プロジェクトのライフサイクルへ適用し,プロセスとシステム要素について整理する.さらに,本モデルにおける対象範囲から,各プロセスを支援する情報技術の分析を行う.