土木学会論文集F3(土木情報学)
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特集号(論文)
深層学習による活火山監視効率化に関する研究
山脇 正嗣上山 晃中村 直人木川 堅司石田 孝司谷保 和則吉崎 皇淑
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2019 年 75 巻 2 号 p. I_22-I_29

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抄録

 我が国は世界の約7%を占める111箇所の活火山が存在する火山大国である.火山がひとたび噴火すると,噴石,火砕流,土石流等の噴火事象により甚大な被害が発生するため,定常的な観測・監視により噴火の兆候を迅速に察知し対策をとることが重要である.本研究では,活火山監視の効率化を目的に,AI技術の一種である深層学習(Deep Learning)を活用する方法について検討した.具体的には,気象庁が常時観測・監視を実施している50箇所の活火山の一つである焼岳を対象に,深層学習モデルの畳込みニューラルネットワーク(CNN(Convolutional Neural Network))により,火山監視を阻害する雲や霧等のノイズ除去,並びに噴火事象(噴煙,土石流等)を検出するモデルを構築した.その結果,活火山監視の効率化に深層学習が有効な技術となり得る可能性を示した.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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