2019 年 75 巻 2 号 p. I_30-I_39
社会基盤施設の維持管理は,点検等で把握した状態から事後の劣化状態を予測し,予防保全としての補修を実施するPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルから成るアセットマネジメントシステムが有効である.その中で予防保全の補修は,施設の延命化に重要な役割を有している.本研究では,道路トンネル内に設置された照明設備の灯具を対象に点検結果では経過観察となる状態に対して,予防保全として簡易補修を実施した場合の有効性を検討したものである.本論文では,はじめに全補修対象数に対する補修実施数を補修率として,著者らが提案した簡易動的マクロモデルを用いた補修率毎の健全度と補修費用の予測算出の方法を解説する.更にその健全性と経済性から最適な補修率の提案と予想される有用性,並びに実用化に向けた課題等について解説する.