2021 年 77 巻 2 号 p. II_23-II_33
近年MMSへの搭載が進む位相差方式(PS方式)レーザスキャナを搭載したMMSはインフラ等の点検において活用が見込まれている.そこで基本的な層厚検出精度を把握するため,従来のTOF方式レーザスキャナを搭載したMMSとの層厚検出精度の比較を行った.さらにトンネル等の測位衛星電波遮蔽環境における点検を想定し,同じ計測実験のデータを用いて,測位衛星補正有とIMUのみで自己位置推定した場合の計測データでの基本的な層厚検出精度を比較した.結果として,PS方式はTOF方式と比べ,2倍程度層厚検出精度が良いことが示された.また測位衛星補正無しデータにおいても,較差のRMS誤差は測位衛星補正有と比べて大きな差は無く,測位衛星電波遮蔽環境においても走行速度によらず層厚1mmまで判別可能であることが示された.