2021 年 77 巻 2 号 p. II_68-II_77
本研究では,2017年7月九州北部豪雨で発生した斜面崩壊地を対象としてALOS-2/PALSAR-2データを用いて,単偏波後方散乱差分解析,コヒーレンス解析により斜面崩壊に伴う地形変化箇所の抽出を行った.その結果,前者がより精度よく地形変化を抽出できることを明らかにした.さらに,地形変化の抽出箇所に対して,傾斜角,方位角,局所的な入射角などの地形,衛星の特徴の観点から整理を行った.その結果,後方散乱差分解析では傾斜角の低い領域で地形変化をよく抽出でき,誤抽出も少ないこと,方位角はコヒーレンス解析では東西方向,後方散乱差分解析では南向きの斜面が良く抽出できることが明らかとなった.また,オフナディア角が大きくなるほど,局所的入射角が小さい箇所が抽出されやすくなる傾向が示された.