2021 年 77 巻 2 号 p. I_140-I_152
深層学習による路面ひび割れの自動抽出は,密粒,排水性,コンクリート等路面種別の違いにより抽出漏れ又は過抽出する課題があった.そこで,本研究は前段で路面を4クラスに分類し,後段でそのクラス分類と路面パッチ画像を用いてひび割れを抽出する,2段階路面ひび割れ抽出手法の提案と検証を行った.それにより,路面種別を用いない場合と精度を比較すると,密粒は殆ど変化なく,それ以外の路面種別ではF値8.3%〜0.6%,AUC0.14〜0.08程度向上した.
更にその様なパッチ画像に対する自動ひび割れ抽出結果から,舗装調査・試験法便覧のメッシュ法に準拠したひび割れ率を算出する手法を提案し,それにより20m評価ひび割れ率を算出した結果,目視解析ひび割れ率との相関は0.94であった.