2022 年 78 巻 2 号 p. II_9-II_17
準天頂衛星システムは,日本国内における衛星測位の精度を向上させることを目的として整備が進められている衛星測位システムである.本研究は,準天頂衛星システムと他の衛星測位システムの併用時の測位精度の検証を行ったものであり,衛星測位によって取得された測位結果について衛星測位システムの併用パターンごとに比較することで,どのような併用パターンが最も効率よく精度の高い測位となるのかを評価した.その結果,天空が開けた地点においては,準天頂衛星システムとGPSの併用による測位が最も安定して高いFix率を得られ,建物等による電波遮蔽が顕著な地点においては,さらにBeiDouを追加した3種類の衛星測位システムを併用した測位が最もFix率が高いことがわかった.