2022 年 78 巻 2 号 p. I_43-I_48
図面等が残存しない既設インフラに対する維持管理において,写真測量に基づくSfM(Structure from Motion)による3次元データ化を導入するケースが増えている.足場を選ばないUAV(Unmanned Aerial Vehicle)による空撮は効率的であるが,立体構造物の測量撮影には属人的技能が要求されるだけでなく,SfMに多大な計算時間を要する上に,事前には3次元データ化の成否が分からない.本研究ではSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)により,UAVの撮影視点をモニターし,3次元データ化に対する適否を実時間で判断するシステムを提案する.被写体に対する相対移動速度とSfMの成否との因果に基づいた指標を導出し,実験によりその有効性を確認した.